コーチングセッションって、何を話せばいいのかわからない。
コーチをつける前に、そう思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。
答えは、「なんでもいい」「話したいことを話せばいい」です。
コーチとクライアントがパートナーシップを結ぶ時に(契約を開始する時に)、クライアントがコーチをつける理由、目的を明確にして共有するフェーズがあります。
ここに直接関係なさそうに見える内容の話でも全然いいんです。
クライアントの人生は1つ、どんな内容も、全部つながっているんです。
だから、あまり「関係ない」と思われるようなことでも、必ず関係しています。
例えば、コーチをつけようと思ったきっかけは、仕事面での成長を目的に、コーチとの契約を始めたとしても、継続するセッションの中で、恋愛の話や家庭での話なども当然テーマとしてあがってきます。
仕事の成果を上げるために、家庭でのちょっとした出来事が気になっていると、無意識レベルで、ちょろちょろとエネルギー漏れが発生しています。
100%のエネルギーを注げていない状態になっているということも気づかないレベルでは、たくさんたくさんあるんです。
だから、その時話したいことをなんでも話せばいいんです。
【”話すテーマがない”はありえない】んです。
「ゆきさんは、クライアントが”今日は話すテーマがない”という時に、どうされていますか?」
時々、若いコーチからこんな質問を受けることがあります。これには、クライアント、コーチ共に、思い込みに囚われています。
「順調だから、悩みがないから、話すことはない」
「何かゴールに向けての課題を話さなければ」
のように「テーマはこうあるべき」という思い込みがあるのでしょう。
ライフコーチングでは(ビジネスコーチングでも実は同じなんだけれど)、その人の人生全体をテーマとしますので、”今日は話すテーマがない”はあり得ません。
ボクは15年コーチをつけ続けていますが、自分のメンターコーチとのセッションでは、一度もテーマに困ったことはありません。
ボクの場合は、いつも課題ばかりで、壁にぶつかりまくっているから〜というのもあるのかもしれませんが(笑)、一方で、そんな壁にぶつかっている自分の課題の解決策もセルフコーチングで明確にできている場合は、粛々と行動し続けるだけですからね。
ボクはいつも
「今の自分の頭や心をスキャンする。これによって現在地を確認したい」
ということをテーマとしています。
これをテーマにしていれば、「ない」ことはあり得ません。
うまく行っていることは、うまく行っていると自覚したい。
自慢したいことは大いに自慢したい。思う存分自慢すればいい。
楽しい、嬉しい、もうひと頑張り、次に向けての意気込みなど、それを話している様子を聞いているコーチからフィードバックが返ってきて、今の自分の状態を客観的に確認する。
逆に、何かを解決したいというわけではなくても、ただただ辛い時には辛いと言えばいい。感情をあらわに、泣けばいい。悔しい時には悔しがればいいし、腹が立つ時には愚痴を吐き出せばいい。
未来のビジョンに向けて、今、自分がどんなところにいて何を感じているのか?どんな気持ちで生きているのか?
忙しいタスクまみれの毎日で、自分の外側の「ことがら」だけに意識を持っていかれてしまうと、薄っぺらい誰かのための人生になってしまうのではないかとボク自身は感じています。
だから、今の自分を感じる時間を持つ。
コーチングセッションって、ボクにとってとても豊かな時間なんです。
1969年、佐賀県生まれ、大阪府堺市育ち。幼少期から生活保護家庭で強い劣等感を抱えて育つ。中学二年生の夏、脳性マヒの級友が、300mを1時間以上かけて泳いだことに感動し、千葉大学教育学部養護学校教員養成課程に進学。1992年に卒業後、劣等感から抜け出すべく俳優の道へ。国民的アイドルとの共演を果たすが、その後挫折。28歳でリクルートグループに就職。求人広告営業で8年連続表彰されるが、部下育成につまずき、コーチングと出会う。コーチの「人を応援する生き方」に使命を感じ、2008年独立。株式会社プラス・スタンダード代表取締役に就任。